自分年表作成と写真整理4-11

一般社団法人自分史活用推進協議会理事 前田浩

~自分史年表が出来上がったら、次は写真整理を楽しみましょう~。
例えば「自分とは何者か」振り返ってみませんか?
ただ時系列に経歴を羅列するだけでなく、
何故そうしたのか?どんなご縁だったのか?それからどんなふうにお付き合いをしたのか?どんな展開になって、誰を喜ばせたのか?
お世話になった方とのエピソードを特に子供たちには遺しておきたい。
個人情報満載ですが、今回は僕の人生の今の出来事の数枚の写真から回想してみます。

因みにわたしは、アルバムから自分や家族のものがたりを語る写真を40数枚選んでみました。これからの作業が楽しみです。今回も取材ロボットに話しかけてテキスト化したものを編集致しました。少し話し言葉になっています。今日はある音楽会に参加して、大切な人との出会いを思い出した話をします。合掌。

ぬくもり夜の音楽会に参加、令和7年6月28日(土)
小学5年の息子が考え、全て一人で料理し盛り付けしたキュウリ料理

この日は、夕方から小学5年の息子が副校長先生からもらった3本のキュウリを料理する助手をした。彼は、インターネットでキュウリを使った料理を3品選び2時間ほど奮闘した。

彼の現在の夢は、学校を卒業したら友達と共同でレストランを経営することらしい。勿論「何を仕事にするかは?」まだたくさん変わるかもしれないけれど「どんな職業でも自分で決めた事は、しっかりやり抜いてくださいね」。料理は、カットも盛り付けもすべて彼一人で行った。近くの魚屋さんに買い物も一緒に行き、彼が材料を選びました。インターネットの情報通りの材料は家に無かったので、適当にあるものでアレンジした。これに関しては僕がお手伝いしました。

時間ギリギリになってしまい、時間丁度に席に着きました。梅雨時ということで「雨」をテーマにした曲を地元出身のサックス奏者とピアノのデュオ演奏で、心地よいひと時を過ごしました。
会場の「ぬくもりの森」は、建築家のS氏が約30年かけて創り上げてきた、中世ヨーロッパのような雰囲気を持つ空間です。1983年に建築事務所兼家具工房「ササキレジデンス」を開設したのが始まりで、その後、時間をかけて独自の建築スタイルを追求し、現在の「ぬくもりの森」が形成されました。S氏は、ヨーロッパの建築を独学で学び、瓦が丸みを帯びた形をしている「うろこ屋根」など、独特の建築スタイルを追求しました。ぬくもりの森は、アミューズメント施設として作られたのではなく、S氏の想いが詰まった場所であり、公開されている建物や彼の想いを知ってもらうために公開されています。。このスタイル形成するのにあたりグラフィックデザイナーのI氏が深くかかわり、パンフレット作成など携わりました。わたくしもI氏の外注先として関わらせて頂きました。

このI氏こそ、わたくしが現在の事業を行うにあたり大きな影響を与えてくれた方でした。2016年にS氏がまだ若くして死去すると、まるで後を追う様にI氏も死去されました。

わたくしは学校を卒業してからすぐに家業に従事したため、同期や上司が居ませんでした。
わたくしが広告代理店から仕事を頂くようになり、I氏は、原稿を頂きに行くデザイン事務所を経営されていました。そこで直接の取引は有りませんでしたが出会いました。わたくしにとってはとても魅力的な人でした。先ずI氏特有の独創的なデザインにより広告代理店や広告主様からも大きな信頼を得ていました。それから生き方がカッコ良かったです。先ずI氏が好きになりました。わたくしは勝手にI氏を上司と思っていました。
そして「どう発想すると素敵なデザインが創造できるのか?」を知りたくなりました。I氏と「同じものを読んで勉強して」、「同じものを食べて」、「同じ服を着て」、「同じ発想が出来るようになりたい」と心から思いました。

たまたまI氏の息子さんたちが、わたくしの出身校に今、通っているということでかわいがっていただきました。そのうち、わたくしの仕事にアドバイスを頂けるようになりました。それが嬉しくて駆け出しの頃、頂く原稿がある日は勿論ですが、頂く原稿が無い日も、つまり毎日I氏の事務所に顔を出し、課題や問題点を相談しました。今でいうPDCA、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つの段階を繰り返すことで、業務改善や品質向上を目指すフレームワークのことですが、これを当時、毎日して頂きました。そしてI氏が「どんな人生を送られたのか?」を時折話してくれました。I氏の「自分史」ですね。浜松工業高校でバレー部、自分でやると決めた事は貫く。自分のスタイルを持っておられて、いつもアイディアについては考えて、考えて、考え抜いていました。その頃僕は、僕の質問に対してのI氏の第一声を大事にしていました。それを判断の基準にしてきました。

その後、業界の上下関係を飛び越え、いろんなプロジェクトを一緒にこなす仲にもなりました。その頃わたくしは事業が拡大して、それまで大切にしてきたとても大事なことも、忙しさにかまけて、忘れていきました。そして積み上げてきたものは少しずつ綻びはじめました。そんな時も、第一声で注意をしてくれました。その場では我に返る自分が居ましたが、会社に戻ると「忙しさにまける」状態でした。

ぬくもり夜の音楽会に参加した晩、I氏の第一声で「あの頃と同じ注意」が聞こえてきた気がしました。Iさんありがとうございました。

「開店の日の意気込みと、友人から寄せられた厚意を忘れるから、少しの困難にも、気をくじかせる。終始一貫ということは、成功の秘訣であるが、これが出来ないのは、皆(もと)を忘れるからである。」

また、ぬくもりの森にI氏を感じに来ようと思います。