昔のことの思い出し方
いきなり昔のことを思いだそうとしても、思い出せないという方々が多いと思います。何もないところから思い出すのは難しいですが、何かきっかけがあると思い出しやすくなります。ここでは昔のことを思い出すための方法を紹介します。
自分に質問してみる
まずは、自分で自分に質問してみることです。たとえば次のような質問を自分にして、思い出したことを年表用紙に書き込んでいってみてください。
・生まれて初めての記憶は?
・うれしかったことは?
・悲しかったことは?
・楽しかったことは?
・苦しかったことは?
・ほめられたことは?
・情熱をかけたこと?
・自分の転機となったことは?
・影響を受けた人、ものは?
ほかにも自分で質問を考えて、自分自身に投げかけてみることで、思い出を引き出すことができます。
キーワードから思い出す
次はキーワードの利用です。たとえば、小学校のことを思い出したいときには、まず学校から連想するキーワードをリストアップしてみます。先生、友達、黒板、教室、掃除、部活動、夏休み、塾、運動会、遠足……。いくらでも出てきますね。次に、それぞれのキーワードについて、具体的に思い出していくのです。
たとえば「先生」というキーワードだったら、小学校1年生のときは担任が男の先生で、成績も普通でパッとしなかったけど、2年生になったら担任がきれいな女性の先生になったことで、はりきってどんどん手をあげて発言するようになり、成績も上がったな……。そんなふうに思い出しているうちに、連想していろいろ思い出されてきて、そうなると楽しくなってきます。忘れていることを思い出して自分を探っていく作業はとても面白いものです。
社会のできごと年表から思い出す
次に、社会のできごと年表を参照してみましょう。当時あったできごとや、見ていたテレビ番組、ベストセラーとなった本、映画・音楽のヒット作品などから、その時期のできごとを思い出すことができます。
たとえば「1983年4月15日に東京ディズニーランドが開園」という年表の記載を見て、「そういえば開園から間もないころに当時の彼女とデートで行った」とか、「結婚した後に家族で行ったのは長男が5歳のときだった」とか、年表のできごとから連想して思い出したことをまとめていくのです。
その他の題材の探し方
ほかにも自分の過去を思い出したり、自分史の題材を集めたりする方法があります。
一つは「マッピング自分史」です。これはもともと自分史活用推進協議会の前田義寛前代表理事が提唱している方法ですが、思い出に残る場所の地図をフリーハンドで描き、その地図に当時の町の様子やできごと、人との関わりなどを記入していくというものです。
次が、関係者から話を聞くことです。家族はもちろん親戚、恩師、先輩、旧友など、話を聞きたいなと思った人に声をかけてみましょう。関係者から得られた話は、何物にも代えられない生きた情報となることでしょう。
資料に当たってみることも大切です。調べ物をするなら、まず図書館に行きましょう。図書館は情報の宝庫です。新聞の縮刷版なども所蔵されています。絶版になった本を探すなら古書店に行きましょう。古書店は店ごとに専門性がある場合が多く、その店になかったとしても、店主に聞くと有益なことを教えてもらえるかもしれません。資料館の利用もおすすめします。たとえば、太平洋戦争に関する資料なら昭和館(東京・九段)、昭和の暮らしに関する資料なら江戸東京博物館(東京・両国)、映画の歴史に関する資料ならフィルムセンター(東京・京橋)にあります。
参考になるインターネットサイト
もちろん何かを調べるにはインターネットも便利です。たいていの話題については、検索すればいろいろな情報が出てきます。百科事典サイトの「ウィキペディア」にも、社会のできごとをまとめた年表的な情報が載っています。
ただ、インターネット上の情報は玉石混交なので、間違った情報も混じっています。複数のサイトで確認したり、インターネット以外の情報源を確認したりすることも必要です。
以下に参考になるインターネットをいくつかあげておきます。
(「自分史作成キット」解説本より一部編集)