自分史とは

自分史とは個人の歴史のことです。作り方や表現方法は自由です。1975年(昭和50年)に、歴史学者の色川大吉さんが戦前戦後の日本と自分の歩みを振り返って、「庶民こそ自分の歴史を語るべきである」と『ある昭和史-自分史の試み』で述べました。その時初めて、普通の人の歴史、ということで「自分史」という言葉が使われるようになりました。
今なぜ自分史なのか
時代は今、大きなターニングポイントを迎えています。明治、大正、昭和、平成、令和と、明治以降の近代化の波を乗り越えてきたこの国の歴史を振り返り、先人の知恵に学ぶことで、これからのあるべき姿を見つけようという機運が高まっています。同時に個人もまた「あの頃、自分は」と自分の人生と時代を重ね合わせて意識することで、これからの自分の生き方につなげようとする人が増えているのです。

自分史をつくる意味
自分らしく生きるためのヒントが得られる、ということがいちばんの魅力です。アップルの創業者のスティーブ・ジョブズ氏は2005年スタンフォード大学の卒業式で、卒業生を前にこうスピーチしました。「未来に先回りして点と点をつなげてみることはできない、君たちにできるのは過去を振り返ってつなげることだけなんだ」と。未来に先回りして点をつなげることはできませんが、過去を振り返って点と点をつなげることはできます。点と点のつながりの中に、自分らしく生きるヒントが隠されているのです。
自分史から得られるメリット
自分史には、
- 生きてきた証を残せる
- 自分をよく知ることができる。
- 生きがいが見つかる
- 自身や自尊心が高まる
- 自分をうまくアピールできるようになる
- コミュニケーションを深められる
- 脳の活性化になる
- つくること自体が楽しい
というメリットがあります。人はそれぞれ固有の体験をしています。ひとつとして同じものはありません。その経験を形にして残すことで、自分の子孫や家族、友人、さらに後世に伝えることができます。また、過去を振り返ることで、自分をよく知ることができます。自分をよく知ることで、相手にも自分のことをよくわかってもらえるようになります。自分史を活用して「自分良し、相手良し、社会良し」の三方良しで、明るく元気に生きていきたいものです。