自分史上初めて「祝詞(のりと)」をじっくり読む。まだまだこの世には知らない「言葉」かり!!

自分史活用アドバイザー 西山真由美

先般お手伝いさせていただいた自分史作品の中に「祝詞(のりと)」を掲載しました。

「祝詞(のりと)」については、神社本庁のホームページに以下のような説明があります。

「祝詞とは、祭典に奉仕する神職が神様に奏上する言葉であり、その内容は神饌・幣帛(へいはく)を供えて、御神徳に対する称辞(たたえごと)を奏し、新たな恩頼(みたまのふゆ)を祈願するというのが一般的な形といえます。」
(神社本庁のホームページより引用)

著者のお父様は、研究の末、地域にお茶を導入し、一大産地に育て上げ、愛媛の茶業に多大な貢献をされた方でした。その製茶場に胸像を建立した時の除幕式に奏上された祝詞でした。

著者は神主さんから祝詞を見せていただき、原稿用紙に書き写して、長年大切に保管していらっしゃいました。その原稿を自分史作品の中に、記念に掲載したのです。
掲載するかどうかとても迷っておられたので、一度私が持ち帰り、内容についてよく見ましょうということになりました。

実は祝詞をじっくり読むのは初めてのことでした。
これまで生活の節目、節目に神社に参拝し、お祓いをしていただいていましたが、祝詞についてあまり深く考えたことはなく、仏教のお経(お釈迦様の教え)のようなものと考えていました。

しかし、言葉を一つ一つ調べながら読んでみると、お経とは全くちがいました。神社本庁のホームページの紹介にもある通り、教えというよりは神様を称え、自分の願いごとを伝える荘厳な言葉だと感じました。

持ち帰った祝詞を読んでみると、最初に神様を称える言葉で始まり、続いてお父様が茶業に素晴らしい貢献をされたこと、お披露目する胸像はどこのだれが製作したもので、今日(日付)は誰が集まってお祝いしているか、そして今後は茶業を誰が引き継いでいくのかを述べた後、会社や製茶業界の末永い発展を願い、神様へご報告する、という内容でした。

この祝詞の内容を読めば、この胸像が誰の像で、どんな功績があって、いつ、どういう願いがあって建立されたか、ということを後々の子孫に事実としてしっかり伝えることができます。このことを著者に説明したところ、とても喜んで、祝詞の掲載をお決めになりました。

祝詞はお祓いの儀式や各種式典で奏上され、耳にすることはあってもなかなか見る、読む機会は無いと思います。
今回初めて祝詞を目で見て読むことができました。初めて見る言葉や、普段見慣れない言葉ではありますが、その意味を知れば、特段難しいことを言っているわけではないことがわかります。
また、内容にはその時の事実が記録されており、過去の出来事を知ることができる大切な歴史資料だと思いました。

今後機会があれば、じっくり耳を澄まして祝詞を聴いてみてはいかがでしょうか。

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