人生の残り時間が少ないと感じたら、「ときめく自分史づくり」のタイミング
一般社団法人自分史活用推進協議会理事 河野初江
人生でやり残したことはありませんか?人生の残り時間を何に使えばいいでしょう。ひとつの答えが自分史づくりです。同じつくるなら、楽しみながら書きたいもの。そして、伝わる自分史にしたいものです。
「読み直し自分史そっと書き換える」・・・あるとき、こんな川柳を目にしました。自分史を書いたなら、やはり誰かに読んでもらいたい。そして「良かったよ」「知らなかったことがたくさん書いてあった」「頑張って生きてきたんだね」と言ってもらいたいと思うものです。読み直して、もう少しこうした表現に換えよう、こんなエピソードを追加しようと手を入れるのは「読み手」を意識すればこそ。「自分のためだけに」という気持ちで書き始めた自分史が伝わる自分史へと変わる一歩です。
自分史は、自分史をつくっている仲間がいることを知ってつくると、さらに楽しさが増します。「あ、そんなつくり方があったのか」と、新しい発見があるからです。写真は「自分史サロン10周年」を祝って集ったときのもの。世代を超えて、同じ自分史を作っている者どうし、自分史の大切さを確認し交流を楽しみました。
自分の自分史の書き手となって書くことは、「話し手」と「書き手」と「読み手」をひとりで演じるようなものです。自分では、よく書けているつもりでも、どこかで独りよがりになっていることも。時に読み手を意識して原稿と対話することで「伝わる自分史」になっていきます。
まずは気負わず書けそうなところから書いてみましょう。そして、自分が書きやすく、読み手にも読みやすい文章のリズムを見つけましょう。次に文体を決めましょう。文章には「ですます調」と、「である調」があります。「ですます調」は丁寧で、あらたまった感じ。「である調」は、きびきびとテンポよく話を進めるという感じ。日頃、新聞やビジネス書を読み慣れている人は「である調」が書きやすいかもしれません。
どのくらいの分量書けばいいのかですが、1万字~2万字程度でも十分、伝わる自分史になります。日経新聞の「私の履歴書」は、「1か月にひとりの人物の履歴を紹介」しています。その「私の履歴書」の1日分の文字数は約1300字。1か月30日として約39000字程度です。どんどん書くべきことが浮かんで楽しい、という場合、まずは3万~5万字を目安に書いてみてはいかがでしょう。

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