介護予防に自分史の活用

自分史活用アドバイザー 石廣克視

 私の住む沼津市では6年前に、高齢者が高齢者の健康づくりや生きがいづくりを支援して、健康寿命を延ばして自立生活を続けることを目的にした「介護予防ボランティア」のシステムがスタートしました。

 私は2年前の64歳の時、今自分にできることは何か?を考えた結果、自立生活の準備として 「心と体の健康」 をテーマに掲げました。セカンドライフを「自分らしく生きる」ことで健康寿命を延ばすことと、まだ自立生活の準備に手を付けられていない方へのきっかけづくりとお手伝いを進めることです。

 「心の健康」で行き着いたのは「自分史づくり」です。私は60歳の時、セカンドライフを模索していた頃に、NPO法人の講座で「豊かなセカンドライフの条件と社会参加」について学びました。もともと歴史を調べるのが好きで、これまで自分の学んだことや体験を生かして社会貢献に繋げたい、と考えました。

 そしてこれまでの足跡を振り返りながらパソコンで手づくり自分史冊子である「私の足跡」を作りました。「これまでの足跡」を書き残すことに少し義務感を感じていたことと、「これからの夢」をはっきりさせることが目的でした。そのための自分史の活用です。

 一般的に自伝本は功なり名を遂げた方たちが人生の節目に立派な本にして家族、友人に贈るという大変ハードルの高いイメージがありますが、私はハードルを低くして高齢者の方たちの体験談を形にして自分史にするお手伝いをしたいと思います。

沼津市「まちの識者」の登録申請時に使用した
「自分史づくり」案内パンフレット
今年のNPO法人静岡団塊創業塾の「セカンドライフ講座自分探し」で「私の足跡と人生年表」(巻き物)を紹介しました。
(巻き物サイズ) 30㎝×390cm
(正面左 石廣)

 高齢者の方が自分史を作ることは頭や手先を使うことで心や体の健康に繋がると思える反面、文章を書いたり読んだりするのが苦手な方も居られますので、体験談を聞き書きして文章にしたり、写真を時系列に並べて纏めるなど形にしていくお手伝いです。

 また「心の健康」とは「心の満足度」だと思います。これまでの足跡を振り返り、これからの夢ややりたいことを見つけて「自分らしく生きる」ことが出来れば「心の満足度」は上がります。そして「心の満足度グラフ」が緩やかな右肩上がりを続けられることが目標です。

 「体の健康」ではノルディックウォークを始めました。2年前に、左足膝関節症のため人工関節手術を受け、その後仲間から勧められてノルディックウォークに参加しました。今は沼津市介護予防ボランティアの「ノルディック・サポーター」として登録され、定期的に皆さんとウォーキングしています。

ノルディックでウォーキング
「第五ファミリー・ノルディック・ウォーク」
の集合写真 (後列左 石廣)

 またちょうどその頃に、以前セカンドライフ講座を受講した「NPO法人静岡団塊創業塾」の会員となり、周囲の方たちとの対話の中で介護予防と自分史づくりが繋がりを持ち始め、介護予防に自分史を活用しようと思いました。これからも「心と体の健康」を意識しながら、「自分史づくりサポーター」、「ノルディック・サポーター」の活動を地域で少しずつ進めたいと思います。