自分史マガジンというスタイルで

自分史活用アドバイザー 藤崎一雄

 「自分史として自らが歩んできた道を、手軽に残す方法はないだろうか」、その答えとして、2016年、「自分史マガジン」を発表しました。

 A4判フルカラー16ページで、エピソードの1話、2話、3話と写真で紹介する「想い出の原風景」、「人生の転機となった(人)出来事」、「私の逸品」という6項目を中心に、文章と写真で紹介するマガジンスタイルに仕上げました。発行部数も基本10冊で、それ以上は追加にしました。

 2016年の第21回「ライターズネットワーク大賞」で、コーディネート賞をいただくことができました。

 当初は、手元に紹介する資料がなかったのでモニターを募り「自分史マガジン」を制作。このマガジンを見ていただくことで、「自分史」に対するハードルが低くなったのはもちろん、完成後には同級生や友人に完成したマガジンを紹介する方が増えてきました。

 また、自分史マガジンをつくるきっかけは、傘寿の記念や金婚式のプレゼントとして、子から親にという方も多いです。

 マガジンスタイルなので1冊目を創刊号として発行し、希望があれば第2号、3号を出したいという要望にも対応できるようにしました。

 制作にあたっては、事前にエピソードや残しておきたい出来事などをリサーチし、合わせて思い出し作業をするため、写真の整理を依頼します。この写真の整理がとても重要で、過去の出来事を鮮明に思い出すきっかけになり「この写真は何時頃で、何をしているのですか」と聞くと「30代のころに○○で撮った写真だな。この時はこんなことをしていた」と明確な回答が戻ってきます。

 そんな話しをしながら取材と平行して、エピソードを掘り下げ、内容を濃くして文章を仕上げて行くのです。

 制作者側が用意するものは、アルバムと思い出の品のみということもあり、気軽さも手伝い、打ち合わせで新たな事実が出てくることもあります。

 さらに著者が急逝され、セレモニーホールで故人を紹介するコーナーに「自分史マガジン」を置かれる方もおり、製作した身として、とてもうれしく思っています。

 これからも、地域に根ざした自分史マガジンづくりを続けて参りたいと思います。