自分史を作るのに最適な年齢は?

自分史活用アドバイザー 関 和幸

最近、「小学校2年生の孫が『自分史』を作るというので驚いた。どうやら学校で『自分史づくり』という授業があるようだ。本来、自分史は人生の総まとめを意識する年齢で書くべきものではないのか……?」というコラムを読んだ。

たしかに小学2年生で自分史を書くのは、いかにも早い。自分史作成サービスを仕事にしている私にも、過去そんな年齢のお客様はいらっしゃらなかった(笑)。

とは言え、何歳で書いても面白いのが自分史だ。小学生にもそれなりに人生の積み重ねはあり、自分史をまとめることでさまざまな発見があるだろう。親にとっても子育ての苦労を語る絶好の機会であり、親子双方にとって楽しい時間になるかもしれない。

また最近では、大学生が就職活動に当たって自分史を書くことが半ば常識となっている。自分に何が向いているのか、どんなことに興味があるのか。普段はあまり意識しないそんな大切なことが、自分史をまとめることでありありと浮かび上がってくる。

そうして本当に自分に向いた仕事についた方が、有名企業に入るよりもよほど幸せに違いない。

さらに40代〜50代で自分史を書くのもおすすめだ。これからの40代〜50代は、まだ30年以上の時間を活動的に生きることができる。その長い時間をどのようにデザインするか。まずはじっくりとこれまで自分がたどってきた歴史を振り返り、これからやりたいこと、やり残していることを見つけ出すことが重要だろう。

そして60代〜70代はまさに自分史づくりの黄金時代。気力や体力、記憶力も十分にあるから、自分の手で好きなように自分史を完成させることができる。同窓会などに各自が自分史を作って持ち寄り、交換し合うのもいいだろう。

80代以上になれば、一刻も早く自分史づくりに取り組んでいただきたい。誰でもその人だけの歴史があり、その歴史をかけがえのないものに思う人が必ずいる。もし、自分史を作ることができなくなってしまったら……もう取り返しがつかないのだ。他人の力を借りてでも急いだ方がいい。

というわけで、自分史を作るのに最適なタイミングは「自分史に興味を持ったとき」である。年齢は特に関係ない。「まだ早い……」「もう遅い……」などと遠慮する必要はないのだ。