書き上げた自分史を別の形で利用してみる

自分史活用アドバイザー 関 和幸

先日、中学生・高校生が自分史を題材にしたオリジナルミュージカル公演を開催……という記事を読んだ。公募で出演が決まった10名の中高生の自分史から、印象的なエピソードを集めて脚本化したらしい。

これは実に面白い取り組みだと思う。自分史を演劇にして、その本人が演じるのだから、相当リアルで迫力のある演技になったのではないだろうか。

実は、私のお客様にも完成した自分史をミニドラマ化し、YouTubeで公開されている方がいる。

こちらはプロの劇団と俳優にお願いしたのでご本人は登場しないが、物凄く面白かった。自分史を書かせていただき、全てのエピソードを知っている私ですら、思わず泣いたり笑ったりしたほどだ。つくづく、プロの俳優の演技力とはすごいものだと思う。

しかも、この動画は会社のPRの一環として作成されたもので、6万回もの再生数となっている。書籍版の自分史よりも、はるかに多くの人の目に触れたのだ。

自分史は本にしたところで完成……というのが一般的だが、もう少し余力と予算があれば、ドラマ化するのは本当にオススメと言えるだろう。

ドラマ化するほどの予算がなければ、声優さんに朗読をお願いするのもいいかもしれない。

手前味噌で恐縮だが、ある著者さんが、私が書いた本をプロの声優さんに朗読してもらったことがあった。

それは本の中のごく一部分だったが、それでもプロの声優さんの朗読には本当に引き込まれた。自分で書いた本ながら、涙で目が潤んだほどだ。

また、冒頭の中高生が出演したミュージカルでは、一人一人の見せ場のためにオリジナル曲が作詞・作曲されたという。これを参考に、自分史のテーマ曲を専門家に作ってもらうのも面白そうだ。

ここまで色々書いてきたが、もちろん自分史にご本人のインタビュー映像をつけることは、すでに多くのサービスで行われている。 だが、完成した自分史そのものを別の形で活用した方が、より一層自分史を作った甲斐があるのではないか。自分史活用アドバイザーには、そんな相談をしてみてもいいかもしれない。