振り返れば年賀状自分史

一般社団法人自分史活用推進協議会理事 菖蒲 亨

もうすぐ64歳になるこの年末。今年一年を振り返り、来年一年に思いをはせています。ここ数年でやめられた方が多いようですが、年賀状を書く季節特有の心持ちではないでしょうか。年賀状を出すのはやめても、年賀状を嫌いにはならないでくださいって、どなたか言われているでしょうか。自分宛に年賀状を書きつづけるのもいいかもと思ったりします。

毎年出されていた年賀状、どのくらい前まで取っておられますか。コメントは付けたり付けなかったり、内容もお送り先の方によって違いますが、コメント以外は、私の場合どの方にも同じ内容にしてあって、その状態のものが毎年数枚手元に残してあります。コメントにこそ、そのとき自分が考えていたことが出ているのかもしれませんが、コメント以外でも、それなりに自分のこだわりが出ているものです。この手元に残した年賀状を年ごとに並べていくと、新たな発見があるかもしれません。その変遷、そして発見は、それこそ自分史の表出したものと言えるのではないでしょうか。たとえば旅行先の景色やスポーツ、趣味の写真から家族やペットとの写真になり、また新たな趣味の写真になるかもしれません。推し活の推しの相手の移り変わりも出てくるかもしれません。変わらない自分よりも変わっていく自分に目が注がれていくかもしれません。

自分宛に年賀状を書いてみたら、つぎはどなたかに送ってみてはいかがでしょうか。義理の返信が多いかもしれませんが、時折、思いもよらぬ反応がおこることもあります。今年の正月に、直接取引はありませんが間接的にお世話になっていた方に年賀状をお送りしたところ、年賀状をいただいたのでと言われて、わざわざ来訪いただいたのです。やめられた方が多いので目立ったのでしょうか。

むずかしいことは抜きにして、考えていることの一片を書いて、年賀状を出されてはいかがでしょうか。その一枚を、あるいはスマホで撮って残して。振り返れば年賀状自分史です。そしてその先に思わぬ化学反応があるかもしれません。

自分史活用推進協議会では2017年に東京都江戸東京博物館にて自分史フェスティバル2017を開催し、「365枚の自分史絵葉書」を展示いたしました。