自分史を作る本能的なニーズとは?

自分史活用アドバイザー 関 和幸

先日、自分史活用推進協議会の有志で集まる「自分史制作マーケティングの研究 〜USJのV字回復から学ぶ自分史への応用〜」という勉強会に参加した。

全国から十数名もの自分史活用アドバイザーが集まり、さまざまな意見が交わされた。このように気軽に集まることができるのは、オンライン会議の良いところだと改めて思う。

話はそれるが、最近は遠方の自分史のお客さまについて、初回打ち合わせのみ対面で行い、その後の自分史インタビューはzoomで行うこともある。

話しやすい雰囲気を作るのが難しい、ときどき音声が聞き取りにくくなる、というデメリットはあるが、インタビューの回数を増やすことができたり、忙しいお客さまでも時間を調整しやすいというメリットはある。

話を勉強会に戻そう。主催者の方が投げかけたテーマは、ユニバーサルスタジオジャパンの劇的な業績回復の背景には「お客さまの本能的な欲求を考え抜いたこと」があり、集まったメンバーで自分史を作るお客さまの本能的な欲求を考えてみたい、ということだった。

私はお客さまからは「褒められたい・認められたい・役に立ちたい」というニーズを感じるという意見を出したが、ゲストや他の参加者からも非常に有用な意見を聞くことができた。私が特に感銘を受けたのは、次の二つだった。

「今、子供に話しても理解できないことがあり、それを自分史に残しておかないと、将来、子供が成長して理解できるようになったときに自分が死んでいたら伝えられない。」

「子供がいない人にとってこそ、何かを形として残す必要がある(子供という生命遺伝子ではなく、思想的・文化的遺伝子を残す)。」

たしかに、大切な人に大切なことを伝えたいというのは、かなり人間の本能に近いと思う。また、人として生まれた以上、何かをこの世に残したいというのも本能ではないだろうか。

非常に参考になった勉強会だったので、これからの自分史活用アドバイザーとしての活動で広く学んだことを伝えていきたいと思う。