戦後80年、自分史誕生50年の節目に
2025年8月7日。東京国際フォーラムにて、自分史イベントが開催された。
戦後80年、自分史誕生から50年の大きな節目を迎えた今年、自分史活用推進協議会では、60篇の戦争体験談を収録した「『一枚』の自分史で語る、今に残る戦争体験」を出版企画し、その披露会を行った。
披露会ではクラウドファンディングで支援してくれた方との食事会や、書籍の開封式を行った。また、執筆や編集に携わった自分史活用アドバイザーの中から4名の方が登壇し、出版に当たっての裏話や所感を述べられた。4名の中には岡山や沖縄からわざわざ来られたアドバイザーもあり、自分史への深い思いを語っていただいた。
出版披露会の後は、同じ会場で自分史活用アドバイザー総会の開催となった。
一年に一度、全国のアドバイザーが一堂に会し、親交を深めるこの機会に、今年は36名のアドバイザーが参加した。久しぶりの再会あり、初顔合わせあり、それぞれに自分史への思いの丈を抱え、語らい、励まし合う場となった。
オンライン会議がスタンダードとなった昨今、遠路はるばるやってくる必要性が薄らいでいく中で、それでも直接会うことでしか得られない共鳴感というものがある。この機会によってアドバイザー同士も刺激し合い、そして「元気」になって地元へと帰っていく。
現在の自分史活用推進協議会のスローガンは「自分史で社会を元気に」である。2年前までは「自分史で日本を元気に」であったものが、理事会の協議の上、改訂されたのである。
「日本」を「社会」に変えたことには当然ながら理由がある。
自分史に取り組むという行為が、自らの歴史を振り返り、自分の現在地を確認することで、この先の生き方や在り方を照らしていく明かりになる。進んでいく道筋を明らかにすることや、自分自身への自己肯定感を高めることで、一人ひとりが「元気」になれば、世の中全体も元気になっていく、という考え方が、このスローガンの根底にはある。
しかしその時、元気になるのは「日本」だけで良いのか。自分史の持つ意義がブームや一時的な現象ではなく、普遍性のあるものだと信じるならば、元気になる対象をもっと広い視野に向けていくのが健全ではないのか。そうした自分史への強い信頼が、スローガンの変更につながったといえる。
自分史誕生50年の今年、あらためて自分史に取り組み、そして自分史によって元気になっていく人が一人でも多く増えることを願いたい。



