まず自分史活用アドバイザーに

一般社団法人自分史活用推進協議会理事 菖蒲 亨

私があやめ自分史センターを開館させたのは私が自分史活用アドバイザーになって2年ほどたった、2016(平成28)年5月のことでした。写真のとおり、立派な書棚や机、椅子を揃えましたが、棚にあるのは5冊ばかり。なんとも寂しい限りでした。

あやめ自分史センター開館時の書棚

場所は東京・JR山手線大塚駅から徒歩で10分ほどの住宅街。最も近い駅は東京メトロ丸ノ内線新大塚駅で、同有楽町線護国寺駅からでも徒歩20分くらいですが、JR大塚駅からの道筋は昔の三業地(芸妓屋、待合、料理店からなる三業組合が組織されている区域)の名残があるので、心ある方には一度は暗くなってから歩いてみていただきたい商店街です。1989(平成元)年に建てられたビルの4階、元々は私の経営する運送会社の社員の机などが置かれていた事務所でした。仕事に出てしまえば帰社するまで空席ばかりの状態であったのを、事務スペースを最小限にして、大部分を自分史のためのスペースにつくりかえました。

思えば、それが私の初めての自分史活動であったかもしれません。自分史作品を展示するとともに、自分史セミナーも開催できるスペースとして、役割を与えたのです。

自分史作品、特に自分史本の著者の思いはさまざまあるでしょうが、自分史本自体は、多くの方に読んでほしいと思っているはずです。読んでもらえない本は、読者の手に届かない本は、悲しいはずです。どんなに素晴らしい内容であっても、人間がそれを読まないならば、価値が生まれようもないからです。価値があると言ってももらえないからです。

まず自分史本を集め、置くこと。それを多くの方に読んでいただくこと。その価値を多くの方に知っていただくこと。書かれた方、その周りの方々の思いに寄り添い、人類共有の財産としてそれらを将来に引き継いでいくこと。それがあやめ自分史センターの使命だと考えています。

この使命を果たしていくためには、多くの方に献本いただき、多くの方に足を運んでいただく必要があります。地元の皆さんへの案内ももっとおこなう必要があるでしょう。

一方で、自分史活用アドバイザーの皆さんにも、もっと活用いただきたいと思っています。参考図書として、ほかの方が作った自分史本をご覧いただいたり、自分史セミナーにつかっていただいたり、自分史相談を受ける場所として活用いただくこともできます。プロジェクター、スクリーン、ホワイトボードがあり、wi-fiも使い放題です。ノマドに活用いただくこともできます。一般の方にくらべ、料金も安価に設定させていただいています。ぜひご検討ください。

あなたがまだ自分史活用アドバイザーになられていないのであれば、ぜひまず自分史活用アドバイザーになっていただいて、どなたかの自分史作品を作り、それをあやめ自分史センターに並べ、そのセミナーをし、その作品に命を吹き込んでください。
お待ちしています。