物語は、家を購入する前から始まる

おのやすなり(自分史活用アドバイザー)

「日本の優れたサービス」という本に、長野県のフォレストコーポレーションという住宅建設会社のことが紹介されていました。

住宅を建てる際に使う木を、施主とともに森に入って伐採することから始める木造住宅販売の取り組み事例、一生に一度の買い物のあり方について深く考えさせられる素晴らしい取り組みです。

物語は、家を購入する前から始まる

家族総出で森の中に入り、選んだ木を伐採するのを間近で見守る、見上げるように立っていた大木にノコギリを入れ、時間をかけて切り目を入れる。大木はやがてミシミシと音を立てて倒れた、密林の中にぽっかりと空いた空間に青い空を覚えている。

何十年と森の中に立っていた木が、その後の家族の思い出を育む我が家の柱となるのです。

こういった体験は、家族史の大きな思い出としていつまでも心に残るでしょう。

家族で壁塗り体験をしたり、大工さん指導の元で表札を彫ったりと、この企業は家作りの段階で数々の思い出作りを織り込んでいます。

思い出はハードよりもソフトに宿る

いろいろな方のライフストーリをお聞きしますが、人生で最大の買い物である家についてはさらりと流される方がほとんどです。

自宅は数多くのドラマが生まれる場所であって、そのものを物語として語る方は、余程の思い入れのある方でないと出てはきません。

ですから、家づくりの体験ということになると強烈なインパクトがあると思います。

林の中にポッカリと空いた空を見上げた思い出は、家族それぞれに強烈な印象として残ることでしょう。

ライフストーリの脇役をドラマチックに振り返る

私事ですが、35年ローンで購入した我が家のマンション!

20年が経過し、室内のあちらこちらが傷んできてはいますが、高台にある12階建てのマンションの9階で、見晴らしが良くてなかなかの眺望で気にいっています。

この眺望が、マンションの購入を決めた大きな理由です。

しかし、購入前に先ほどのようなドラマチックな思い出はないですね、モデルルームを見て、現地に赴きなんとなくイメージしたといことくらいです。

1度だけ、建築途中の物件を見に来て、組みあがった建物にこっそりを侵入したことがあります。9階まで家内と階段で登って、その後20年間見続ける景色を見たことが思い出として残っています。

この時は確か、何かの理由で家内とは紛争中で、現地に着くまで口も聞きませんでしたが、お互いこの景色が気に入り帰りは仲直りしていたことを思い出しました。

思い出はやはり、ハードよりソフトですね!

その後も同じような思い出をこのマンションで繰り返しております。

心に残るサービスの提供、思い出の1ページを記す取り組みをしているこの企業はとても素敵ですね。

自分史ラボ:my life my art

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