ライターを使った「自分史」を作るには

自分史を書籍などにする場合、大きく分けて、自分で書くか、それ以外の人に書いてもらうかの2パターンに分かれるかと思います。

自分で書く場合のメリットとしては
1. 費用が掛からない。
2. 自分の書きたいことだけを書ける。(内容的に)
3. 自分のペースで書ける。(時間的に)
4. 仕様変更などが容易である。

逆にデメリットとしては、
1. 第3者の目が入らず、内容や誤字脱字のチェックができない。
2. ペースがつかめない場合、挫折しやすい。
3. アドバイスや励ましなどがないとモチベーションが維持し難い。
4. 自慢史になりがち。

人に書いてもらう場合は、自分で書く場合のメリットとデメリットがちょうど逆になると思っていただいていいのですが、それでもどんな人に頼むかでまたずいぶんと違ってきます。自分史を書く場合の「自分以外の人」といった場合、よほど信頼できる方やご家族がいる場合以外は、ある程度の費用がかかってもプロのライターを利用することをお勧めします。

ライターの見分け方は難しいとは思いますが、その方が書いた本を見せてもらうのが一番間違いないと思います。そして、ライターは書くだけでなく取材力も大切な能力ですので、まずあなたの話をしっかりと聞いてくれる人は絶対条件であり、さらに的確な質問をして、話しやすい雰囲気を備えているということも必要な要素です。

せっかくライターを入れても魅力的な文書にならないことも数多くあります。アドバイスや意見などもしっかりとしてくれる方かどうかも確認してください。ただし、それらはあくまでもアドバイス。最終的な結論はあなたが決めるという基本的なルールについても納得していただける方であることも、最初の段階で決めておくべきです。

取材に関しては1回に3時間ぐらいを取ることが多いと思います。極端に短い場合は取材内容も確認してみるべきかと思います。自分史が自慢史になりやすいことは以前にもお話ししたことがありますが、あまりにも客観的で控えめなものもあまり面白くありませんし、高いお金を払ったのにも関わらずご自分で愛着が持てないといった、結果的に無駄な買い物をしてしまったという後悔の念を抱いてしまうことも残念ながら多くあることです。

それらの失敗をしないために「自分史活用アドバイザー」などのような全体をコーディネートする役割を決め、そこを通じてライターや見積もり等の希望を徹底的に話し合い、作成を進め、途中でまた何か疑問が起きた場合でも間に立つ人のアドバイスを受けながら進めていくと、ライターとの信頼関係も築きながら、自分の意見も言いやすくなるかと思います。

馬場敦(一般社団法人自分史活用推進協議会理事)