自分史で人生の宝探しをしよう
自分史づくりの楽しさと手順を紹介した拙著『ときめく自分史づくり』(河野初江著・オレンジページ)で、「誰もがドラマを持っている」と書きました。何気ない平凡な日々の中にこそ、人生の宝がひそんでいます。
そのことを伝えたくて、4月に横浜のSMARTLIFE®AO新横浜校で「誰もがドラマを持っている~1枚の自分史を作ろう」という講座を開きました。

「誰もがドラマを持っている」と言ったものの参加者の皆さんがどう感じているのか、少し気がかりでした。「人生にそんなにドラマなんてあるものじゃない」と思っている方も多いのではないか、と考えたからです。そこで講座の冒頭に「人生にドラマなんてない、と思っていませんか?」と尋ねてみました。すると、「いえいえ、平凡な中にもあるような気がします」と、しっかりとしたお返事が返ってきました。
そこまで感じてくださっているなら大丈夫。あとは、その“宝”をどう捉え、どう表現するか。その方法を知るだけで、それぞれの人生に眠る宝物を見つけ、書き残せるようになります。
講座では、これまで私が自分史づくりをお手伝いする中で出会った、平凡な家族の日常に潜む心温まるエピソードや、相手を思いやる愛情に満ちた会話をご紹介しました。また、私が大学生の頃に親へ宛てて書いた手紙を、母が「わたしたち(父と母の名前が書いてありました)のたからもの」と題してひとまとめに保管してくれていたこと、その束を“宝物”として残していたことを知ったのは、母の死後、遺品整理のときだったこともお話ししました。何気ない日常の中には、まだまだ見つけられていない「たからもの」がたくさんあるのだと、改めて感じた出来事でした。
すると参加者からは、
「なるほど。いつ・どこで・何が、ということばかり正確に書こうとしていましたが、それよりもっと書きたいことが浮んできました」
「記録を整えることが終活だと思って懸命になっていました。でも、その出来事があった日に、友達がどれだけ自分のことを気にかけてくれていたかを今思い出しました。それを書かないと、この体験の話は生きてきませんね」
といった声が上がりました。
私は「良いところに気づかれました。良い友達がいた。あの日あの時、自分のことを気にかけてくれた。それこそが宝なんです」とお話ししました。皆さんそれぞれ人生の宝に気づかれたようで、帰り際にはとても和やかで良い表情をされていました。
出来事を時系列に整理することは自分史づくりの一歩であり大事です。でもその先に「人生の宝探し」という愉しみがあることを、これからも伝えていこうと思います。

