主役が脇役に理解される台本を用意する

おのやすなり(自分史活用アドバイザー)

日本経済新聞の「私の履歴書」は各界の著名人が自らを振り返る自分史であり、人生における様々な局面をどう受け止め、解釈し、切り抜け、教訓としたのか、自ら綴られた物語は面白くてとても為になり私は好きです。

共感することもあれば、自分にはとてもそんな受け止め方や考え方はできないと感じることもある、そういった人の人生観がどう形成されたのかを幼少の頃からの体験から読み解くのも楽しみの一つでもあります。

誰の人生にもドラマがある

数年前、多くの部下を抱え仕事をする立場にあった私は、仕事のスキルを広めるために「才能心理学」というものを学ぶ機会を持ち、勉強したことがあります。

この学問では、人は誰もが才能を持っており、その才能は感情によって形成されるとしています。同じで出来事であっても抱く感情は人によって違います、そしてこの感情のパターンは繰り返します。そのことを理解して感情がプラスに動く方向に自分を持っていけば、その人の才能は開花するのです。

人がどういったことでポジテイブになり、あるいはネガテイブになるのかを、過去の体験談を聞くと本当に千差万別です、さらに様々な体験とそこでどう感じたのか? 一人一人のストーリーを掘り下げて聞いてみるとこれが実に面白い、全然たいしたことがないと思っている人の物語が異様に興味深いものがったりするのです。

年齢や性別、経験の量に関わらず体験の中身をどう感じたかが興味深いのです、そして実績を出している人はどうすれば自分の感情がポジテイブに動くのかを知っている人です。知らず知らずにその方向や、領域に方向性を変えていける人が、その分野で才能を発揮しています。

因みに全然才能を発揮していない人の話も、それはそれで面白かったりします、「なんでそう考えるかな?」とか、「君はそっちに頭を突っ込んじゃダメだろう!」とかいう面白さです。

経営者が自分史を公表するメリット

“『私の履歴書』じゃあるまいし、30年早いよ……”

ある経営者のインタビュー記事でそう答えておられた方がいます。

しかしこの申し出を聞いた後、この経営者は思い直します。

創業の頃、仲間と酒を酌み交わし熱く語った頃の情熱、なぜ自分は事業を立ち上げたのか?自分はどんな少年時代を送り今があるのか?

見回してみると、会社の規模は大きくなったが、自分は従業員のことをどれだけ知っているのだろうか? 彼等をどこに連れて行こうとしているのだろう?

自分を振り返り、公表することは大きな意味があると思い直し、インタビューを受け、小さな冊子に自分史をまとめたそうです。

照れながらも、なんだか社員との距離が縮まったような気がする、社員に向けてのラブレターのようなつもりで手がけてもらった冊子だが、自分自身が忘れていたことや、気づかなかったことが浮き彫りになって大変良かったとおしゃっていました。

自分史ラボ:my life my art

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