「自分史」の起源となった方のインタビュー記事
11月1日の朝日新聞の夕刊に、
歴史家の色川大吉さんのインタビュー記事が載っていました。
色川さんが1975年に出版した「ある昭和史-自分史の試み」が
自分史という言葉の“起源”だとされていますが、
このほど「昭和へのレクイエム-自分史最終篇」を出版されて
「昭和自分史」5部作を完結させたとのこと。
色川さんが「自分史」を提唱された理由を聞かれて
以下のように答えています。
歴史をつくったのは少数のエリートではない。
無名の多くの民衆の力でつくられてきた。
民衆とは、それぞれ自分の人生を担っている人々の集合体。
一人ひとりの人間にウエートを置いた
歴史を書かねばならない。
個性を重視し、歴史を物語る主体は
その本人だということを明確にしようと、
「自分史」を打ち出した。
学校で学ぶ歴史で出てくるのは
偉人や有名人ばかりですが、
民衆も歴史を作っているということですね。、
自分たちも歴史の主人公だという自覚を持って
生きていきたいですね。
また色川さんは以下のように語っています。
一部に自分史を単なる自伝や記念誌と受け取る向きがあり、
自慢史や自分中心史に過ぎないものも多かった。
むしろ後悔していることや間違っていたと思うことを
核心部分から書いてほしい。
単なる体験記にとどめず、
同時代の状況や社会的なことにつなげて書いてほしい。
そうした自分史は掛け替えのない文化財で、
集めれば立派な民衆史になるんです。
色川さんは歴史家の立場からこのようにおっしゃってますが、
私は、もっと多くの人に、もっと気軽に、
自分の過去を振り返ることで自分をよく知るためのツールとして
自分史を活用してもらえたらと思っています
高橋 誠(理事)