『自分史』と『経営』

自分史活用推進協議会理事で、アドバイザーとしては私の同期でもある河出岩夫氏が講師のセミナーに参加してきました。セミナータイトルは『休眠会社を成功へ導いた事業の承継 ~自分史との出会い、創設者が残してくれたもの~』

このセミナーを企画したのは自分史活用アドバイザーであり、私と同じ行政書士でもある梶原恭子さんです。梶原さんが所属する団体は『NPO法人知的資産経営たから』といい、「知的資産経営」について研究するグループです。「知的資産経営」とは、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の目に見えにくい企業の競争力の源泉を「知的資産」として認識し、有効に組み合わせて活用していくことを通じて収益につなげる経営のことです。いわゆる知的財産権ということで行政書士が企業との関連で求められる分野です。

自分史活用アドバイザーであり、行政書士でもある私にとって、河出さんが語る『自分史』と『知的資産経営』とがどのように結びつくのか興味があり参加した次第です。

河出さんは老舗出版社河出書房の4代目社長ですが、実はお父様の代で一度会社活動を休止し、その後紆余曲折があり、ご自分お一人で会社を復興されています。母体を失いながらも会社を創設した会ったこともない曾祖父、祖父の想いがなぜ継承され、今に至ったかなど、ご自分の経験とその時々の気持ちを織り交ぜながらお話が進んで行きます。
「目に見えるものを失いながら、目に見えなかったものを引き継いでいく」という河出さんの経験はまさに今回の主催者の目指す『知的資産経営』そのものだったと思います。

「腕を怪我した人は、怪我した時に腕の大切さに気付く。会社が人手にわたり、失った時に引き継げなかったものの大きさに気付いた。」と河出さんは言った言葉が大変印象に残りました。

『ブランド』や『信用』は一瞬で出来るわけではなく、長い年月をかけて生まれてくる企業の歴史と大きく関わります。『会社史』や『自分史』は目に見えないものを思い出させるツールでもあり、またそのものが財産であることにも気付かされました。

またお話の中で『自分史によるブランディング』がありましたが、自分の【現在】【過去】【未来】をしっかりと語れるようになることで軸がぶれない経営が行え、周囲から信頼されるというお話も『自分史』が『経営』の中に取り入れられるべきポイントかと思います。

馬場敦(一般社団法人自分史活用推進協議会理事)

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