自分史の風を岡山から。第3回自分史フェスティバルin岡山(倉敷)レポート
自分史活用アドバイザー 福富 彩
2019年9月16日、第3回自分史フェスティバルin岡山が開催されました。今年は趣を変えて、倉敷新渓園が会場です。歴史情緒溢れる倉敷美観地区の中心、大原美術館の裏手にあるお庭が素敵な和風建築です。その広さは56畳。ここにどれだけの人が来てくれるだろうとドキドキしながら当日を迎えました。
岡山自分史の会代表世話人・久本恵子代表によるご挨拶、そしてミニセミナー「自分史入門、受け継ぎ渡すバトン、平成から令和へ」から開幕した自分史フェスティバル。今年のテーマにあるように「自分史を知って、楽しむ一日」にしようと多くの人が訪れてくださいました。澁澤寿一先生による基調講演「自分史とSDGs」では広い世界に目を向け、本当の幸せとはなにか、みんなが幸せになるにはどうしたらいいかを考えることができました。多くの先祖がいて自分がいる、社会の持続を考えることと自分史は通じているのだとわかった瞬間はパズルのピースとピースがきれいに嵌まったような感覚を覚えました。
小休憩を挟んで行われたミニワークショップはどこも大盛況。自分史という一つのテーマからまったく異なる内容のワークショップが開催されたことに、自分史の多様な魅力を感じます。
〇仲秋の令月に、和やかに和本を綴じませう
「和綴じの冊子づくり はじめてのお稽古」自分史活用アドバイザー 西山真由美
〇音楽でたどる自分史
「思い出のメロディ♬ よみがえるあの日、あの時」自分史活用アドバイザー 藤木智子
〇街角で迷子になっているあの頃のあなたに会いにいきましょう。
「マッピング自分史」自分史活用アドバイザー 村田敏美
〇スマホやパソコンでも楽しく作れます!
「デジタルな自分史」自分史活用アドバイザー 福富彩
どのワークショップでも参加者の皆様は一様に真剣な眼差しで、熱心に手元を動かされていました。そんな参加者の熱意に応えるべく、講師のアドバイザーたちの言葉にもさらに熱が込められます。四つ同時に開催されたワークショップでしたが、会場は「自分史を楽しむ」一体感に包まれていたように思えます。参加された方からは「この場に来て、知ることができてよかった」「他のワークショップも受けたかった」という有難いお言葉をいただけました。
熱気もそのままに「あなたの町の自分史活用アドバイザー」が始まり、一人ずつ登壇して短いスピーチ(活用事例発表など)をしました。ほんの短い間ですが一人一人が一生懸命に話す姿には個性が光り、それぞれが自分史というものを楽しんでアドバイザーをやっていることがわかります。こんなところからも自分史の面白さが伝わったのではないでしょうか。登壇したアドバイザーはもちろんこの日参加できなかった方、他にも陰ながらご尽力いただいたすべての方の力で自分史フェスティバルは開催されました。当日の熱気を肌で感じた一人として、「『自分史』というたった一つのキーワードでこれだけの人々が繋がり、今まさに元気になっている。自分史ってすごいなぁ」と原点に立ち返ることができました。
フェスティバルが終わりに近づくなか、早くも来年の開催を待ち望む声が聞かれ、アドバイザーの一人として抜けかけた気が再び注入されました。アドバイザーになって初めてのフェスティバル、四つあるミニワークショップのうち一つを任されるという大役もあって無事終わったことに心から安堵したのもつかの間、もう来年の開催を楽しみにしてくださっている方がいらっしゃるのです。それなら私たちアドバイザーも、この岡山の地に自分史の風を吹かし続けなければなりません。まだまだ新米ですが、自分史からもらった元気をさらに次の誰かへ渡すぞという気持ちで邁進していこうと思います。
最後になりましたが当日ご来場いただいた方、応援してくださった方、ありがとうございます。協議会本部の河野代表理事、菖蒲副代表理事も遠路お越しいただきありがとうございました。そして久本恵子代表をはじめとする岡山自分史の会メンバーの皆様、お疲れ様でした。これからも自分史と共にこの地で歩んでいきましょう。