自分史で親の認知症と向き合う

私の母は数年前より認知症の症状が出始めました。物忘れや徘徊など、いわゆるアルツハイマーとは異なり、レビー小体型認知症といわれる認知症です。このレビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。

一般的な症状は、実際にはいない人が見える「幻視」、眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする異常言動があり、また、手足が震える、小刻みに歩くなど、パーキンソン症状が見られることもあります。頭がはっきりしたり、ボーッとしたり、日によって変動することも特徴的です。

母の場合は幻覚の症状が顕著です。母は本人の妹と2人暮らしをしているのですが、いるはずのない他の住人がいるように見えて、3人で生活していると言っています。そして、その住人からは強い口調で命令されることが多く、恐怖心を持っているようです。また日常なにもせずぼーっとしていることが多く、口数も少ないようです。寝ている間もはっきりとした寝言が多いようで、ほぼレビー小体型認知症の症状と一致しています。実害があまりないのでそれほど大げさにしていなかったのですが、同居している叔母から最近は転びやすく目が離せない状況だということを聞き、今年に入ってから週に1回位様子を見るために母と叔母が暮らす家に泊まりに行っています。

行っても特に何もすることがなく、ただ食事をしたりテレビを見たりするだけですが、昔は当たり前だった母との生活を再現するような瞬間がいくつかあり、私自身も忘れていたことがいくつか思い出されます。父が5年前に亡くなった今、私の子ども時代のことを知るのは母のみとなってしまい、聞いていた話もいっぱいありましたが、楽しそうに話す母の言葉を黙って聞いていました。

当初、母の話をたくさん聞いてあげるつもりで行きましたが、私の話を含む、昔の話を聞くことになりました。母の症状や今置かれている環境が大幅に変わるとは思えません。介護保険を利用して様々なサポートも利用するつもりですが、このように何度か定期的に長い時間を過ごしていくことも大切に考えていきたいと思っています。自分史を活用した回想療法というものもあり、それなりの技術や手順が必要ですが、今はとにかく単純に母と話をすることだけを考えています。

自分史が母に何ができるかまったくわからず手探り状態ですが、これからもできるだけ母と向き合っていき、思い出の大切さを自分史活動の中に活かしていきたいと思います。

馬場敦(一般社団法人自分史活用推進協議会理事)

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