自分史づくり7つ道具(2) ペーパーゲージ(紙厚測定器)

一般社団法人自分史活用推進協議会理事 河出岩夫

もしみなさんが自分史を残すとしたら、どのような形で残すでしょうか。文章、画像、音声や映像、さまざまな方法で自分史を残すことができるでしょう。しかし、最もオーソドックスでかつ需要があるのは書籍、紙の本で自分史を書き残す方法です。
ここでは「紙の本」にテーマを絞って、自分史をつくるうえで知っておきたい知識や、持っていると便利な「7つ道具」についてお話ししてみたいと思います。

前回は用紙の「種類」についてお伝えしましたが、今回のテーマは用紙の「厚さ」です。
簡単におさらいすると、本文に使われる用紙を「本文用紙」や「書籍用紙」と呼びました。一方、表紙やカバー、見返しなどの「付き物」に使われる用紙を「特殊印刷用紙」(ファンシーペーパー、ファインペーパー)と呼びました。(もちろんすべてがこの定義に当てはまるわけではなく、表紙にコート紙などを用いたり、本文に特殊印刷用紙を用いる場合もあります)

さて、今回は用紙の「厚さ」に関するお話です。
実は印刷用紙の厚みを表す単位は、mm(ミリメートル)ではなくkg(キログラム)、つまり「重さ(斤量)」です。厳密には印刷用紙1000枚分の斤量が基準になります。ここでもうひとつ申し添えておくと、印刷用紙には大きく「A判系列(菊版)」と「B判系列(四六判)」に大別されます。コピー用紙にもA4サイズとB4サイズがあるように、印刷用紙のサイズにもふたつの基準があります(これも例外はありますが割愛します)。
たとえば、コート紙を例にあげると、四六判の90kgと110kgとではどちらの方が厚みがあると考えられるでしょうか。
想像がつくと思いますが、同じ種類の用紙1000枚当たりの斤量ですから、当然重いほうが厚みがあるということができます。コート紙(四六判)には、90,110,135,180,220kgがあり、重さに比例して紙が厚くなっていきます。ただ、あくまで同じ用紙での相対的な比較になるため、他の用紙と単純に比べることはできません。例えば上質紙の90kgとコート紙の90kgとでは厚みが異なるのです。製紙過程での材料が異なるため単純比較はできないところが難しい点です。

このように用紙の厚みは一般的に「斤量」で表していることを知っておくことで、本づくりの基本のひとつが理解できるようになります。しかし、いくら厚みを斤量で表すからといって、現実にはそれらの用紙が何枚も重なって一冊の本になることに変わりはありません。つまり、本の厚みが分からなければ、表紙やカバーのデザインができないわけです。
たとえば1枚あたり0.15mmの用紙で200ページの本をつくると、本の厚みは計算上は15mmになります。(本200ページは紙100枚分ですから、0.15mm×100枚=15mm) この時に便利な道具として、ペーパーゲージ(紙厚測定器)があります。このゲージがあれば、手軽に紙1枚当たりの厚みを1/100mm単位で計測が可能になります。市販されているので手軽に購入可能です。