自分史づくり7つ道具(1) 見本帳
もしみなさんが自分史を残すとしたら、どのような形で残すでしょうか。文章、画像、音声や映像、さまざまな方法で自分史を残すことができるでしょう。しかし、最もオーソドックスでかつ需要があるのは書籍、紙の本で自分史を書き残す方法です。
ここでは「紙の本」にテーマを絞って、自分史をつくるうえで知っておきたい知識や、持っていると便利な「7つ道具」についてお話ししてみたいと思います。
今回のテーマは用紙です。文字通り、本に使う紙のお話です。ただ、用紙の世界も奥が深いので、一度にすべてをお伝えすることはできません。
そこで今回は、用紙の種類について書きたいと思います。
書籍は、大きく分けると「本文」と「表紙」の2つに分けられます。まずこれが基本です。さらに表紙の外側には「カバー」や「オビ」を掛けることもあります。また、表紙をめくると、本文の前に色のついた用紙が付いていることがあります。これを「見返し」といいます。さらに本の1ページ目に本文とは異なる用紙で本のタイトルが印刷されている場合があります。これは「本扉」です。
こうした本文以外のことを、業界では「表紙まわり」とか「付き物」などと呼び、これらに用いる用紙のことを特殊印刷紙(ファンシーペーパー、ファインペーパーとも)呼びます。
このように1冊の本には様々な用紙が使われていることが分かります。では、それらの用紙はどのようにして選ばれ、組み合わされているのでしょうか。
ここで役に立つのが「見本帳」です。
印刷に使われる用紙の種類は実に多彩です。ざっと数千種類はあるはずです。見本帳にはそうした数多くの印刷用紙のサンプルが収録されていて、色、手触り、厚みなどを実際に目で見て、触って確かめることができます。これらの中から用紙を選び、組み合わせて書籍がつくられています。
「表紙まわり」に使われる特殊印刷用紙は、色や手触りなどが特徴的であるため、見本帳を眺めるだけでも楽しいものです。
一方、本文に使われる用紙(本文用紙、書籍用紙)は色合いも地味ですし、手触りなどの特徴よりも本全体の厚みや、何を印刷するかによって選び方が変わってきます。大きく分けると、活字が多い場合は書籍用紙、写真やイラストが多い場合場合はコート紙や微塗工紙などが選ばれやすくなります。
書籍用紙も、ホワイト系かクリーム系か、手触りはツルツルしているかザラザラしているかなど、非常に繊細で細分化された用紙の中から選ぶことになります。つまり、本文に用いられる紙の決定には、ある程度の経験値が必要になるわけです。
以下の見本帳は一般の方でも購入できますので、ご参考まで。
竹尾
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『印刷用紙サンプルBOOK』
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