誰でもなれる自分史アドバイザー

ある高齢者施設の管理をされてる方から自分史講座の依頼がありました。その方の要望はレクリエーションの一環として自分史を書くことはできないかというものでした。簡単なものを1回の講座で完了させるのではなく、回数を重ね作品を作り上げるプロセスに楽しみを持って集まってもらうものにしたいとのことでした。この考え方は、私が初めて自分史に臨む方々に対してお話しする内容と一致したため、即座に引き受けることにしました。

私のようなアドバイザーが入り、自分史に興味を持ってもらい、書いてみようと思うまでの大きなハードルの一つとして、「信頼感の構築」がまずあります。これは自分の過去から現在までのプライバシーの塊である『自分史』という作品の特性上当たり前のことであり、これが築けないようだと楽しむどころか苦痛の時間でしかありません。

私は行政書士という職業をしていますが、行政書士には法律の中で『守秘義務』という「お客様の情報を開示してはならない」という決まりがあり、これを守れなかった場合には過料という罰則があります。行政書士や弁護士などの国家資格者にはこの『守秘義務』がそれぞれ法律上で明確に規定されていることが多いため、その顧客はそれに守られて仮に『守秘義務』が守られず情報が流失してしまう場合、責任を追及できますが、そのような規定のないアドバイザー等の民間資格の場合は、あくまでも自主規制になります。ですから、この『守秘義務』を守れるかどうかを感じてもらうことが、信頼関係づくりの第一歩といえます。ここをクリアして何でも話せる関係が築けるようになると、自分のことを話したり、聞いてくれる相手がいることで、『自分史』の大きな魅力を感じてもらうことができます。

自分史作りをお手伝いすることは、別にアドバイザーである必要はなく、誰でもができることです。自分史に関する特別な知識などなくても、相手が気持ちよく楽しく自分自身のことを話せる環境を作ることができれば、それはもう立派な自分史アドバイザーといえます。

そのために信頼作りが必要になるわけですが、実はこれを時間をかけてあえて作らなくてもいい関係があります。それは親子だったり、夫婦だったり、すでに信頼を前提とした家族の関係です。私は、自分史の価値という側面から考えた場合、知識のあるアドバイザー以上に家族が話を聞き自分史を作り上げるほうが重要だと思っています。特に作るプロセスにおいては明らかだと思います。

『自分史』なんて定義付けする必要なんてありません。ぜひご家族のお話を引き出すきっかけを作り、最高のアドバイザーとして奥さま、ご主人、ご両親に寄り添ってみませんか。

馬場敦(一般社団法人自分史活用推進協議会理事)

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