【シネマで振り返り 52】大切な人をシアワセにするために …… 「恋とスフレと娘とわたし」

自分史活用アドバイザー 桑島まさき

スウィーツ! この甘美にして魅惑的な響き。満腹でも何故か入ってしまう。巷に溢れる素材をいかした和洋スウィーツの美味しそ~なビジュアルの数々。2007年9月日本公開された「恋とスフレと娘とわたし」は、「観る」贅沢を堪能できシアワセな気分に浸ることができるロマンチックラブコメだ。
男嫌いではないフツーの感覚をもつ女性たちならば、恋をして結婚、出産、子育て、仕事やつきあいなどで忙しく過ごし、気がつくと中年のオバサンというのがお決まりのコース。さぁ~、これから自分のための人生を楽しもうと思うものの、時間はあるが金はなし。もしくは、金はあるが時間がない。恋をしたいと思うが、相手が不在。ときめきはずっと必要だと思うが「もうそんな年齢ではないのよ……」と自戒する(はず)。
だが、最近のシニアパワーはすごい。一般的に60歳以上を「シニア」とよんでいるようだが、この年代の方たちは若く見えるし(実際に若い)、健康だし、精神面でもイキイキされている方が多い。人生80年とも90年ともいわれる時代、残りの人生をどのように充実して過ごすかが課題だ。

食後のデザートはほぼ習慣化されているのなら、人生にデザートがついても不思議はない。とりわけ、女子は「命を誕生させ繋ぐ」という大きな役割を果たしているのだから。
「恋愛適齢期」(2007年3月日本公開)で年齢を重ねることのすばらしさを描き、世の女子たちを勇気づけてくれたハリウッドの大女優ダイアン・キートン主演の本作は、夫なき後、スウィーツショップを経営しパティシエとして働きながら3人の娘たちを育て上げた母を演じている。
3人の娘のうち3女のミリー(マンディ・ムーア)だけなぜか恋愛がうまくいかない。そんな娘が心配でたまらないダフネ(キートン)は、ある計画をたてて自分で選んだ相手を娘のミリーに近づけてゴールインさせようとする。
やや過干渉気味であるが母と娘たちの仲はとてもイイ。買い物もエステも一緒、よく集まってどんな話題でも自由に語り合う。ダフネが秘密裏にたてた計画のせいでミリーの恋は順調に進んでいるようなのだが、意外にも自分自身にも恋のチャンスが巡ってくるのだった……。

ロスに暮らす中流家庭のオシャレな暮らしぶりが楽しめる。キートンはブランドを着こなし長身をいかしたアレンジで映え、特にケイ・アンガーの水玉プリントのワンピースを粋に着こなす。しっかり者だがちょっとドジで、お茶目で人情家の母親役を好演している。
本作のもう一つの主役スウィーツの魅力が満載。食べるのがもったいないほど豪華でキュートで眼福気分を味わえる! 西洋人はホントによくスウィーツを食べる。ワインと一緒にでも。 しかしよく自分でスウィーツを作る人ならご存じのはずだ。甘くて柔らかいスウィーツ(和・洋両方とも)をデリケートな素材を使って上手く作るには、メンタル面の乱れは禁物ということを。だから心が千々に乱れている時は味もデコレーションもあまりうまくいかない。多くのプロが口を揃えて言うように。

つまり、味も見栄えもいいスウィーツを作るには、自身のメンタル面でのケアをしっかりしないとダメだということだ。さらに言えば、自分がハッピーな時は、作るモノも人間関係もうまくいく。人を喜ばせたいのなら、自分がハッピーでないといけないということだ。
スフレ作りを通してミリーは気付く。自分に本当に必要な人の存在を。さて、彼女の下した選択とは?
自分史上、どんなステキな恋愛をし、どれほど人を愛したかが最重要ポイント。回数はほとんど意味をなさない(と、私は思っている)。料理もシアワセも自分で作りあげるからこそ意義があるのだ。

*「恋とスフレと娘とわたし」(2007年9月1日 日本公開)
恋とスフレと娘とわたし : 作品情報 – 映画.com

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