3月は卒業シーズンですね。この時期は1年間でもっとも自分史を意識する季節ではないでしょうか。わが家では長男が中学を卒業し、長女が保育園を卒園します。歳が離れていて、いつかはイベントが重なることはわかっていましたが実際にその年を迎えてみると予想以上に慌ただしく感じます。中学の卒業は義務教育の終了や受験を乗り越えての最後の行事ということもあり、親子ともども感慨深いものがありますが、子どもだけでなく自分の中学時代の記憶が蘇ることでも、特別な日となりました。歌は変わっても卒業式そのものは35年前とほとんど変わることはありません。卒業式が終わり、それぞれが教室にもどり最後の学活を終え、校庭で在校生や保護者の作った花道を通って校門を出ていく演出も不変のようです。さらに学校近くの公園でクラス写真を撮ったり、歌を唄ったりする光景も35年前にも経験したものでした。わけもなくその場でいつまでも友達としゃべっている息子の姿が、自分の中学生時代とダブり、私も妻もまた他の保護者達もその場でずっと子どもたちの様子を微笑ましく見守っています。おそらく多くの親も私と同じように自分たちの中学生時代を思い出し、同じ気持ちになっていたのではないでしょうか。

来週には娘の卒園式です。ここではさすがに自分の思いでというよりも、長男の思いでが蘇るのでしょう。娘が小学校に入り様々に経験することも「息子の時は…」などと回想するのだと思います。何れにしても家族を含めた自分の歴史である『自分史』意識することになります。これは3月というより、子育ての間は常に考えることなのかもしれません。そして子どもたちの自分史にもこの卒業の記憶は受け継がれていくことでしょう。

2016年の自分史フェスティバルのテーマは「暮らしの中の思い出」~節目ごとにカタチに~でしたが、この節目という言葉に最も近いものが卒業だと思います。別れがあることでそれまで一緒に過ごしてきた大切な人との絆を確認する……大人になると、そんなイベントを経験することはほとんどなくなります。卒業というイベントを経験できる子どもたちが羨ましくもあり、もうその時代に戻れないことがますます思いが切なく感じるのです。

自分史に『卒業』というテーマ掲げ、この季節のことだけを思い出してみても自分らしい自分史が出来ると思います。

馬場敦(一般社団法人自分史活用推進協議会監事)