個人情報保護法は平成15年に施行されすでに10年以上が経過しています。基本的な原則は変わらないものの、10年経てば個人を取り巻く状況も変わってきます。法律制定当時には予想もつかなかった事態も現実化しています。特に情報化、国際化社会と言われている近年では個人情報も保護すると同時に利活用されて行かなくてはなりません。
そんな時代背景から昨年9月に改正法が成立し、公布されました。
この法律の主管である経済産業省によりますと以下の3つの観点から制度を改正しています。

・個人情報の利活用の促進と保護との要請を踏まえたグレーゾーンの解消
・制度の実施体制についての振り返り
・個人情報保護制度の国際的な整合

さらに今後も技術の進歩、世の中のニーズに即して、3年ごとに必要な制度の見直しを行って行くとのことです。上に挙げた3つの観点を受け、具体的に制定されて5つのポイントについて説明します。

①「定義の明確化等」
技術の進展により記録・活用されるようになった、指紋認証や顔認証データのような身体の一部の特徴をデータ化した文字や、旅券番号、運転免許証番号のような個人に割り当てられた番号などがありますが、これらは「個人識別符号」として、それ単体でも個人を特定できる個人情報であると明らかにしました。

②「適切な規律の下で個人情報等の有用性を確保」
企業で利用している個人情報、いわゆる『ビックデータ』の取り扱いについて明確に示しています。
個人情報をビッグデータとして事業活動に活用できないのでは、経済活動を抑制してしまいます。しかし、事業者によっては個人情報を不適切に扱ってしまわないかという不安があり、活用を躊躇している場合もあります。そのような不安を払しょくするために、個人を特定できないよう個人情報を加工した情報を「匿名加工情報」として、それを適切に取り扱うための枠組みを作りました。

③「個人情報の流通の適正さを確保」
個人情報取扱事業者に対して第三者と個人データをやり取りする場合において、誰に情報を渡すか、誰から受け取った情報なのか、適切に情報がやり取りされたことの記録と保存、確認を義務化しています。事業者の負担は増えますがこの仕組みを入れることで、不正に収集された個人情報の流通が発生しないよう、その抑止を図っています。

④「個人情報保護委員会の新設」
「個人情報保護委員会」が立ち上がり、個人情報保護に関する業務を一元的に行っていくというものです。

⑤「個人情報の取扱いのグローバル化」
海外にいる第三者に個人情報を提供する場合の規定や、国境を越えた法の適用の範囲の規定などを整備しました。

今回の改正と自分史においてですが、②で取り上げられた『ビックデータ』との関連性があると感じています。ある意味『ビックデータ』から抽出される個人情報と自分史から得られる個人情報は真逆です。しかしそれぞれの持つ大きな意味は情報の大切さと、それを利活用する側面を重視しているということです。『ビッデータ』で傾向や時代の流れを読み取ったり、『自分史』のように個々人が残す記録の何れもが次の世代のために活きるものです。保護の強化を図りながら、ある程度、融通が利く経路を残しつつ今後も個人情報保護法は改正を続けて行くと思います。

馬場敦(一般社団法人自分史活用推進協議会監事)