先日私が地元の町田で活動している団体が、町田市の生涯学習センターから声をかけられて、ことぶき大学という市民講座の講演会に登壇しました。60歳以上の高齢者が対象で、120名ほどの参加者の前で2週にわたりお話をさせて頂きました。

このことぶき大学において町田市から私たちの団体に与えられた課題は「元気なうちに考えるこれからの暮らし」というもので、この課題に対し我々行政書士がどのようにかかわって来るのかを得意の演劇手法を使いお話を致しました。

第1回目は高齢者のひとり暮らしをテーマに、町田における様々な支援、例えば高齢者支援センターが何をやっているところなのか? または消費生活センターでは高齢者がだまされやすい商法の相談窓口になっているとか……そんな誰もが高齢期になった時に心配になることを具体的な事例を交えお話しました。

また第2回目は5人家族の遺言・相続問題で、まだ亡くなっていない父親について家族がそれぞれの想いをぶつけ合う場面をユーモラスに演劇で表現しました。

今回の全体テーマ「元気なうちに考えるこれからの暮らし」でしたから、ここでは遺言を書くタイミングとして「元気」な状態のときであり、遺言を最期の言葉として捉えず、家族への想いを遺言に表すことで自分自身を見つめなおすツールとして考えてみました。

これを自分史に置き換えたとき、全く同じことが当てはまると思います。自分史もなるべく早い時期に、それも元気なうちに書くことで、自分自身を見つめ、その後、軌道修正が可能になるのです。また家族を含めて書き出すことで、家族とのコミュニケーションも取ることが出来ます。つまり自分史も遺言も書き上げることだけでなく、書く過程において有効なものであり、そうであれば出来るだけ早い時期に書くことで、これからの暮らしに大きな影響をもつものであると言えます。

また元気なうちに書くということは家族からも忌憚のない意見がもらえ、場合によっては意見や考え方の違いもそれはそれで大切な家族の会話になります。病気の末期に書く遺言書に対してはたとえ不満があっても言い出し難いものです。自分史も全く同じことで、自分も家族も満足するものを作りたければ元気なうちに書くべきなのです。

馬場敦(一般社団法人自分史活用推進協議会監事)