おのやすなり(自分史活用アドバイザー)

 

マクドナルドの創業者レイクロックの自伝「成功はゴミ箱の中に」を読みました。

現在、マイケルキートン主演の映画「ファウンダー」の原作でもあり経営者のバイブル書としても広く読まれている本です。

アメリカ初発の世界展開を行っているファストフードチェーン店は沢山ありますが、以前研究材料としたスターバックスのハワードシュルツと比較をして二人の才能の原点の違いを見てみると非常に興味深いものを感じます。

ネガテイブ思考が源泉のシュルツ、ポジテイブ思考が源泉のクロック

シュルツは低所得者階級層の出身で、住んでいた地域で受ける差別感や何度も転職をしては失業を繰り返し、怪我をしても保険が受けられない父親の背中を見て、誰もが平等であり誰もが同じく誇りと安堵を持って生きる世界の創出がビジネスの源泉になっています。

一方クロックは幼少の頃から熱中できるものにだけ興味があり、野球、ピアノに夢中でした。彼の自宅のキッチンは常に整理整頓されておりいつもピカピカで機能的、それは祖母から母親に受け継がれたもので、クロック自身にも受け継がれ彼は掃除をすることも得意でした。

父親は息子を大学進学させる夢を持っていましたが、興味のない勉強を続けることの非合理性を嫌い、高校を中退して様々な仕事を行います。

シュルツは平等がなかった人で、クロックは常に夢中になる事があった人でした。

感情のポイントが違えば、展開するビジネスも違ってくる

スターバックスとマクドナルドの共通点はどちらもそれを展開して広めた実業家が創業者ではなかったこと。

シュルツは家具やキッチンのメーカーに勤めていましたが、電気式のコーヒーメーカーでなくドリップ式のコーヒーメーカーを大量に注文が入るシアトルのスターバックスというコーヒー豆を販売する会社に興味を持ち、その店を訪問します。

アメリカンコーヒーと言われるくらい、アメリカでは浅煎りのコーヒーが主流の中で、手間暇かけた高級豆を深煎りにローストして点てるスターバックスのコーヒ豆に魅了されます。

一杯一杯を丁寧に入れて香り高いコーヒーを飲むちょっとした贅沢、貧困から抜け出し掴んでいた仕事や手に入れたマイホームを投げ打ってスターバックスの仲間に加えて欲しいと懇願します。

一方、クロックはマルチミキサーのセールスマンを行っていましたが、将来性に翳りの見え始めたこの商品を大量に注文してきたマクドナルド兄弟が運営するハンバーガーショップを見て衝撃を受けます。

当時は注文が入ってから商品を作るのが普通でしたが、機能的で清潔なキッチンでシステマテイックナな分業を行い、注文からわずか30秒で商品が出来上がり、ずらりと駐車場に並ぶお客が次々に掃けて行く姿に興奮をし、訪れたその日にフランチャイズ化を申し出ます。

シュルツの感情は香り高いちょっとの贅沢、クロックは機能的で洗練された仕組みに心動かされたことになります。

どこに感情が動くのか、才能とは目の付けどころのことです。

スタバが提供しているのは自分らしさを取り戻す空間

スターバックスの経営理念はサードプレイスです。

家庭と学校や職場の間に立ち寄るホッとする空間、そこには一杯づつその人の好みに合わせた香り高いコーヒーやラテを、誇り高きバリスタが作ってくれます。照明を落とした落ち着いた空間、木の椅子やソファーに腰をおろし、ジャズをBGMにちょっとした贅沢な自分の時間を持てる空間を提供しています。

もともとスターバックスはコーヒー豆の販売で、カフェではありませんでした。カフェ形式の展開を求めるシュルツに対して当時のオーナーは断固反対をします。

この時シュルツはスターバックスを辞め、独自の店を展開し軌道に乗せますがその後経営難に陥っていたスターバッックスを買取り、自ら展開していた店をスターバックスに改名して全国展開を始めたのでした。

マクドナルドが提供しているのは機能的な時間

どこで、誰が作っても同じ時間で、同じクオリテイーの出来立てハンバーガーとホクホクのフライドポテト。店内で働くクルーは清潔で、テキパキと流れるように商品を提供しています。

オープン当初のハンバーガーは1個15セント。1日に何万個ものハンバーガーを明るいカウンターで提供します。

開業から数年間、マクドナルドもテクアウトが基本でした、店内で飲食をする形態のお店を展開することに当初クロックは難色を示していたのです。

紙コップにハンバガーを包む包装紙、専用のバンズや牛肉100%のパテ、冷凍技術。マクドナルドは成長とともに数々のサプライヤーをも成長させ機能的な連携で一大産業を構築しました。

ビジネスにかける熱意はどちらもすごいです、その才能を発揮させる原動力は子供の頃からどんなことに心動かされてきたのかで方向性は変わります。

同じ価値観に人は共感します、あなたはどちらのお店に価値観を感じますか?

自分史ラボ:my life my art