パソコンと自分史

パソコンスキル

自分史を作る(書く)といった場合、手書きにするかパソコン(ワープロソフト)で入力するかといった選択の問題があります。どちらにも利点がありご自分の状況に合わせて選べばいいと思いますが、ここでパソコンのスキルに関しての壁があります。日常パソコンを使用している方にとっては選択の余地もないことだとは思いますし、またパソコンをほとんど触らない方やキーボード入力が苦手な方にとっては逆の意味で選択の余地はないかと思います。パソコンができればこれを使って自分史を作りたいと思われている方も多いかと思いますし、自分史とは関係なくパソコンを使いこなしたいという方もまだまだいらっしゃるかと思います。

今日の『パソコンと自分史』というテーマでは「自分史を作るためにパソコンを利用しましょう」という観点ではなく、「パソコンスキルを高めるための自分史活用」というお話をします。

年賀状作り

高齢者の方々がパソコンに取り組むきっかけとして『年賀状作り』があります。このためだけにパソコンとプリンターを使っている方も多いのではないでしょうか? 一度使ってみるともう手書きには戻れない利便性がありますよね。

年賀状は【何時までに】【何枚作る】といった明確な目標がありそれを達成させるためにパソコンというツール(道具)が必要となります。毎年パソコンで年賀状を作るようになると、上記の目標に加え【きれいに作る】【写真を入れる】などといったさらに高い欲求生まれてきます。その欲求を満たすためにはまたパソコンの知識が必要になります。

パソコンのスキルを上げるということが目標になってしまうと、とにかく基礎的な知識の積み重ねから入っていき途中で挫折しがちですが、年賀状作りのプロセスではパソコンはあくまでも道具であり、自分の理想を実現する年賀状を作ることでいつの間にかパソコンに関する技術が身についているのです。

パソコンスキルを高めるための自分史活用

自分史のように自分の中から湧き出てくるような内容を文字として表現する場合には、この方法が応用できます。特にパソコンを苦手と感じている方の大きな壁となるキーボード入力に大きな力が発揮できます。初めは入力するだけで何時間もかかるかもしれませんが、次第に入力した内容に満足できず、順序を入れ替えるためにコピー&ペーストを覚えたり、内容の確認のためにインターネットを使って調べたりと、自分の想いを表現することが目標になり、パソコンを単なるツール(道具)と思えるようになれば、いつの間にかパソコンスキルが上達しているはずです。

これは今多くのパソコン教室でも実践されている方法です。『自分史』という成果物を得られるのと同時に、『パソコンスキル』が学べることが受講される方にとって大きなメリットとして好評なのではないでしょうか。

自分史を作りたいのだけれど、パソコンが苦手で……と思われている方は、見方を変えると実は両方ともに得られるチャンスです。年賀状作りでちょっとだけキーボード入力ができるようになった方の次の目標として『自分史作り』は最適です。

私が所属する自分史活用推進協議会のメンバーにも、パソコン教室に関連したお仕事をされている方々が自分史作りに携わっています。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

馬場敦(一般社団法人自分史活用推進協議会理事)